猫が私を狂わせる

 

皆様こんにちは

LUKAでございます

 

 

幼い頃から

「よそはよそ!うちはうち!」

という母の教えのおかげもあってか

 

人を妬んだり羨んだりという感情を持ち合わせていない私

 

 

唯一

絵の才能がある人と出会った時に

「こりゃー凄いや

 格が違うっていうのはこういう事を言うんだろうなぁ」

「これだけ才能があっても絵の道を進む気が無いなんて

 私にその才能があったなら・・・」

と絶望と一緒に羨ましさを感じたくらいだろうか

 

 

それ以外のシーンでは

どんな事が起ころうがただの一度も

自分以外の誰かに特別な感情を抱いた事は無かった

 

 

まぁ私・・・

自分が非常に恵まれている

という自覚もありますしね・・・

 

五体満足で

やりたい事はやろうと思えば何だって出来る

 

これ以上を望むなんて強欲以外のなにものでも無いでしょう

 

 

 

上を見上げればきりが無いけれど

それは下を見たって同じ事で

自分が自分に対してどう評価をしているか次第

 

 

自分が自分に満足していない場合に

人を妬んだり羨んだりする訳であって

自分が自分に満足していないなら努力をするべきだと思っている

 

 

だけど

そんな私が先日

 

驚くほど感情が揺り動かされる出来事が起きた

 

 

それは実家へ行った日の事

 

 

家に入るといつものようにモカが私を出迎えてくれて

すぐさま足元でゴロン!と寝転がってお腹を見せてくれた

 

 

可愛いなぁぁぁ!!!

 

 

ミルクとココアも私の様子を伺い

 

ココアはモカが私の所を離れてから

私の足の上でゴロン!

 

 

ミルクは私の方から撫でに行くまで大人しく待機

 

 

一周し終わると再び

モカが長時間ナデナデをご所望

 

 

ふわふわの身体を堪能しながら

幸せな気持ちに浸っていると

 

 

母がこう言った

 

 

母「最近はモカ

  H(兄)にも触らせるようになってきたからね」

 

私「・・・・・・・・・・・!」

 

 

実はこれまで

 

3匹の猫たちが心を許している相手は

母・父・私の3人だけだった

 

 

兄夫婦が実家に行くと

3匹の猫たちは大慌てで逃げまどい

決して触らせる事などなかったのだ

 

 

なのに

 

モカが兄に気を許したというのか・・・!!!!?

 

 

 

私は幼い頃から動物が大好きで

その中でも一番猫が大好きだった

 

けれど

 

猫からは嫌われっぱなしだった

 

 

拾って毎日付きっ切りでミルクを与えて育てても

爪と牙での本気の応酬が待っているだけの日々

 

猫を飼っている人が

「一緒に寝る」

「膝の上に乗ってくる」

と言っているのを聞く度に

 

何故私は猫に愛して貰えないのだろう・・・

と本気で落ち込んでいたものだった

 

 

撫でさせても貰えないのは一体なぜなのか

 

撫でようとした瞬間

凄い目で睨まれて逃げる準備をするあれは一体何なのだろうか

 

 

そんな中

この3匹だけは違った

 

子猫の頃から必死におもちゃを作って遊び

餌付けにも努力してきた

 

どんなに残業が激しい日でも

夜なべしておもちゃを作り

毎日のように実家へ通い続けて

ようやく私の愛を受け入れて貰う事が出来たのだ

 

 

それこそ

1カ月や2カ月なんてもんじゃない

 

最初は逃げられてばかりで

だっこだって出来るもんじゃなかった

 

たっぷりと時間をかけて愛を育んできたのだ

 

 

それなのに・・・

 

 

モカ!!!!!

 

お前たまにしか来ない兄に心を開いたってのか!!!!?

(完全に嫉妬)

 

 

私「なんだって!?

  モカ!お前Hさんに触らせてるのか!」

 

モカ「・・・・・・・・・」

 

私「なんでだ!

  お前元は野良猫だろ!?

  なのにそんなに簡単に懐いて良いのか!?」

 

モカ「・・・・・・・・・・・・」

 

母「モカは誰にでも愛想良いからね」

 

私「我慢して触らせてる感じなら良いけど

  喜んで触らせてるのかお前!」

 

モカ「・・・・・・・・・・・・・・・」

 

母「いや

  まだそこまでじゃないけど

  触られる事自体はもう嫌がってないね」

 

 

私の手をぺろぺろ舐めてくるモカ

 

 

私「ふわぁぁっありがとー・・・!

  ぺろぺろしてくれるのー・・・!

  でもお前そんな事して・・・!

  本当は誰にでもそういう事してるんじゃいのかぁぁ!?」

 

 

まるで恋人の浮気を疑っている時のような心境である

 

 

最も

恋人にここまで感情的に直接的な発言をした事はない

 

これまで人間には向けた事が無いほどの

深い愛を猫たちに注いできたのだ

 

目に入れても痛くないし

なんなら口に入れちゃいたいくらい愛してる!!!

 

 

だからお願い!

 

誰にでも愛想良くなんてしないで!!!

 

私だけを見てぇぇぇぇ!!!

 

 

モカ「・・・・・・・・・・・」

 

母「いやそこまではしてない」

 

私「うぅっ・・・

  モカ・・・

  お前のその顔は私にだけ向けておくれ・・・!

  浮気しないでおくれぇぇ・・・!!!」

 

 

慌てて

ココアやミルクにも語り掛ける私

 

 

私「ハッ!

  お、お前たちはどうなんだ!?

  前は逃げ出してたけど

  もう逃げたりしなくなってるんじゃ・・・!」

 

母「いや

  ミルクとココアは全然ダメ

  すぐ逃げ出す」

 

私「そうか・・・」

 

 

この瞬間

 

ホッとした

 

 

私「なら良いんだ」

 

 

ホッとした直後

ハッとした

 

 

えっ

 

何この

「私にだけ懐けば良いのに」

「他の人には懐かなければ良いのに」って発想・・・!!!

 

 

恐ろしく汚い感情が私の胸に渦巻いている・・・!

 

 

私「やだ私凄く性格悪くない?」

 

母「うん

  悪いわ」

 

私「・・・・・・・・・・」

 

 

何という事でしょう・・・!

 

人を妬んだり羨んだりしても

何も得るものなんて無いって分かっているのに

これはもう嫉妬以外のなにものでもないじゃないか・・・!

 

こういうの良くない!

 

Hさんだって動物が大好きなんだから

猫たちに好かれた方が皆幸せになれるはず・・・!!!

 

モカが心を開き始めた事を

一緒に喜んであげなきゃならないのよっ・・・!!!

 

 

 

しかし

この後用事を済ませて帰る際

 

玄関までお見送りをしてくれたココアとモカに向かって

私はこう言った

 

 

私「そういうのは

  私にだけやればいいからね・・・!」

 

 

私の心は真っ黒だ・・・!!!