今はお寿司食べないの!?

 

皆様こんにちは

LUKAでございます

 

新年・・・あけました!!!

 

ブログを始めてから何回目の新年でしょうね・・・

いやぁ本当に

最初にブログを始めた時は

こんなにも長い事続けるとは夢にも思っていなかった・・・!

 

 

2020年もどうぞよろしくお願いいたします!

 

 

毎年毎年

年末年始を迎えると

私はどうしても一番ハードだった年末年始を思い出す

 

 

それは

 

寿司屋で過ごした年末年始である

 

 

今まで働いて来た中で

最も過酷で最も楽しかった職場

それが寿司屋なんですが

 

年末年始は一年の中で最も辛かった

 

 

正社員は泊まり込みですからね・・・!!!

 

 

正直あの頃は

「何で世の中の奴らは

 年末年始に寿司なんて食うんだよ・・・!」

と苛立つほどに大変だった

 

何が大変って

 

海老だよ・・・!!!

 

海老の殻剥きが何より大変なんだよ・・・!

 

 

ごくごく普通の人達は

海老がぎっしり詰まって冷凍されている箱を

何箱もボウルに開けて

まだ凍ったままの海老を流水解凍しながら

殻を剥きまくる

 

なんて事をやった事は無いでしょう

 

海老の足が生えている所に親指の爪を当てて

素早く足の部分を剥がし

くるっと背中側の殻を剥がす

 

それを

何百匹ってやるんですよ

 

 

親指の爪の間から血が出てこようが

そんなのお構いなしにひたすら海老の殻を剥く

 

 

その間にも

大量のシャリを炊いたり

他の作業を同時進行でやっていかなければ間に合わない

 

ずーーーーっとフル稼働で2時3時まで働き

 

近所の銭湯へ行って身体を洗い

店内のソファで仮眠を取って

また6時から仕事開始である

 

 

海老・海老・海老である・・・!!!

 

もちろん他のネタも準備するんだけれど

お正月=海老なんでしょうね

 

とにかく海老なんだ

 

 

指先が痛くて痛くて

もうこれ以上は痛みに対する恐怖で

指を動かせないよ・・・!

と思っても殻を剥かなければならない

 

ビニール手袋の中に血が滲もうとも

海老がある限り剥かなければならないのだ・・・!

 

 

数ある海老の種類の中でも

とりわけボタン海老の殻が大嫌いだった

 

なんでこんなに堅いんだよこの殻・・・!

 

いちいち足が指先に刺さってくるし

もう親指の爪が剥がれちゃうよ・・・!

 

 

そしてそれらの仕込みが終わると

今度は毎年恒例の

私がひたすら一人で戦う時間がやって来る

 

 

それが

『店頭販売』である

 

寿司を立派な容器に並べ

それを店の前のテーブルに並べる

 

これを売るのが私のお仕事だった

 

 

人一倍声が大きくよく通り

かと言って甲高くも無い私の声は

自分で言うのもなんだけど

お客さんからの評判が非常に良かった

 

そして単純に

人前で大声を出して

「いらっしゃませ~

 年末年始の食卓に出来立てのお寿司はいかがですかぁ~!?」

「お子様にはさび抜きのお寿司もご用意出来ますよ~」

なんて売り方が出来るのも

私くらいしか居なかったのである

 

 

まぁ・・・恥ずかしいよね!?

私だってこんな事

お金を貰っていなかったら絶対出来ないもの!

 

 

誰もが皆こっちを向く

いや

向かせなければならないなんて

最初は私だって相当嫌だった

 

何て言ったって私は元来人見知りだし

最初は足が震えて

声なんて全然出せなかったものだった

 

え・・・私ここで

何を喋ればいいの・・・?

 

 

だけど慣れって怖いもんで

売れれば売れるほど楽しくなっていってしまったのだ

 

 

遠くから歩いてくるお客さんの家族構成を見て

買いたくなるようなお勧めをすれば

確実に売り上げを伸ばせる・・・!!!

 

思わず財布を取り出したくなるような言葉を

相手の耳に届けるんだ・・・!

 

目立つように大きな身振り手振りを加えて

全員の視線を集めろ・・・!!!

 

 

こんなに分かりやすい仕組みの仕事もなかなか無い

 

 

結果

店頭販売=私

というのが確立されてしまったのである

 

 

なので年末年始の店頭売りでも

ずーーーーーーーっと一日中

店頭に立って大声を出し続けるのだ

 

交代は来ない

 

用意したお寿司のセットが不足してきたら

マイクを通してキッチンに注文を入れる

 

「松残り3つ」

 

するとキッチンからセットを持った人が現れ

そっとそれを置いて帰って行く

 

 

完全なる孤独

 

 

強いて言うならたまに店長が様子見に現れて

ちょこっとだけ隣に立ってくれるくらいだ

 

足が疲れてふらふらしてきても

喉が枯れて飲み物を飲みたくなっても

トイレへ行きたくなっても

誰も来てくれやしない

 

ただただ

目の前の小さな金庫に積み上げられていく現金だけが

私の心の支えだった

 

今日の目標は店頭販売だけで50万・・・!!!

 

 

12月31日の店頭販売を終え

再び必死に海老の殻を剥き

1月1日も店頭に立つ

 

喉が痛くて焼けそうで

ガラガラ声になっている

 

だけど

いつも来てくれている常連のお客さん達が

わざわざ連日顔を見に来てくれて

差し入れをしてくれるんですよ・・・!

 

「今日も頑張ってるね!

 声ガラガラで可哀相に・・・!

 これ食べて頑張ってね!」

 

なんて言ってお菓子を置いて行ってくれる

 

 

うぉぉぉーーー・・・!

 

もう声を出す度に涙がにじむほど喉が痛いけど

あたい頑張るよぉーーー!!!

 

 

みなさぁぁぁぁーーん!

美味しいお寿司いかがですかぁぁぁーーー!!?

今日のトロはマジで美味そうですよぉーーー!!?

 

 

そんな辛い年末年始を

幾度となく繰り返した

 

寿司屋は年末年始が最も辛かった

 

 

そんな事を今年も思い出した私は

ふとある事を思いついた

 

 

そうだ

 

今年は私が

食べる側になってやろうじゃないか・・・!!!

 

お前たちが必死に剥いた海老を

労せず食ってやろうじゃないかぁぁ・・・!!!

 

 

そう思い立ち

いつもお弁当コーナーに

ぎっしりお寿司が並べられているスーパーへ

お買い物に出かけた

 

今日は12月31日だし

絶対いっぱいお寿司あると思うんだよね!

 

絶対大きな海老が入ってるお寿司セット買うんだ!

 

 

ルンルン気分でカゴを持ち

早歩きでお弁当売り場へ向かった私は

 

目を疑った

 

 

目を疑って

 

思わずたかだか3~4メートルほどしか横幅の無い

お弁当コーナーを3往復もした

 

 

え・・・

 

 

お・・・

 

 

お寿司が無い・・・!!!?

 

 

すぐ目の前に立っていた店員さんに

慌てて声をかけた

 

 

私「す、すみません!

  お寿司って無いんですか!?」

 

店員「え?

   あ、はい

   寿司は今日出してないっすね・・・

   あー・・・正月料理ならあそこの辺りに・・・」

 

 

まだ若い店員さんが指さしたそこには

 

 

七面鳥の丸焼きがドーン!と3つ並べられていた

 

 

 

 

 

し・・・七面鳥はクリスマスだよねぇ!!!?