かまくらって何だろう

 

皆様こんにちは

LUKAでございます

 

 

とうとう12月に入り

北海道はもうすっかり雪景色となりました

 

 

真っ白!

 

 

一年が経つのは本当に早いもんです

 

 

積もった雪を見て思い出したんですけど

 

私以前観光地で働いていた時に

本州から来た観光客の方からよくこんな質問をされた

 

かまくらの作り方を教えて欲しい」

 

 

どうやらスキー場等へ行く予定があるらしく

空いている場所でかまくらを作りたいんでしょうね

 

あろうことか

ガラス工房でガラス製品の作り方じゃなく

かまくらの作り方を聞いてきやがった

 

 

知らねぇ!!!

 

 

道民なら誰でもかまくら作りが得意だと思うなよ!?

 

何ならかまくらなんて作った事が無い

って奴の方が圧倒的に多いんだからな!!!

 

 

多分なんだけど

本州の人達はかまくらを作れるほどの雪を見た事が無いから

興奮しちゃって作りたい気分になるんでしょうね

 

だけど道民は

雪が積もるのは当たり前の事だから

そこまで積雪に興奮する事もないし

 

そもそもある程度の広い場所が無ければ作れるもんじゃないから

作った経験がある人もきっと少ないのでしょう

 

 

ガラス工房で一緒に働いていた人達も

9割は一度もかまくらを作った事が無い人達だった

 

 

かくいう私も

かまくらを作った経験はたったの2度しかない

 

 

1度は

幼い頃にHさん(兄)と作ったかまくらである

 

 

これは前にも記事にした事があるんだけど

 

真冬に家を追い出された事がありまして・・・!

 

 

あの時私はまだ幼稚園に通っていたんじゃないかなぁ

 

一体何をしでかしたか分からないけれど

恐らくいつものように下らないいたずらでもして怒られたんでしょう

 

母に「外で反省しなさい!」って

外へ放り出された

 

 

もうすっかり夜も更けていた時間で

寒い真冬の外へ放り出された私は

仕方なく外にある物置小屋に避難する事にした

 

 

するとそこへ

Hさんがやって来たのだ

 

 

そして

 

2人でのかまくら作りが始まった

 

 

私はただペタペタと両手で雪を叩きながら

小さな手でちょっとずつ穴を掘る

 

Hさんが雪を運んで積み上げ

上からスコップでべしべし叩いて固める

 

 

ほぼほぼHさんが作ったと言っても過言じゃないけれど

とにもかくにもそうして小さなかまくらが出来上がったのだ

 

 

完成したかまくらに私達は大喜び!!!

 

 

穴が小さくて

私とHさんが交代で入る事しか出来ないかまくらだけど

大満足である

 

 

 

・・・結果

 

「泣きながら反省して戻って来る」と思っていたのに

全く帰ってくる素振りの無い私達を心配して

外へ出て来た母に

 

 

しこたま怒られた

 

 

「あんた達何考えてんの!

 反省しなさいって外に出したのに

 2人して楽しそうに遊んでてどうすんの!?

 どうもなんないね!?」

って言われた

 

 

ごもっとも・・・!

 

実際今でも

あの時何が原因で怒られたかなんて全く覚えていないのに

かまくら作りしてちょー楽しかったぁ!(馬鹿っぽい)

という思い出しか残っちゃいない

 

 

母・・・すまん・・・!

 

 

 

そして二度目のかまくら作りは

まさかのガラス工房での事だった

 

 

ガラス工房では

冬になると観光客向けに

外に色々な工夫をしていた

 

例えばスノーキャンドルを設置してみたり

例えば大きな雪だるまを作ったり

例えば雪でベンチを作って撮影ポイントにしてみたり

 

 

そしてある年に

「巨大かまくらを作ろう!」となったのだ

 

 

かまくら作りを

ただの一度も経験した事が無い人達で作るかまくらである

 

崩れないか心配で仕方ない

 

 

最初は

「雪を集めて叩いて固めて

 そこに水をかけて凍らせて掘る」

という実に一般的(?)なかまくらの作り方を

実践しようとした私達だった

 

 

・・・が

 

 

3日ほど

仕事が休みの日に出て来たり

仕事が終わってから必死に作っていた

高さ2.5メートルほどのかまくらを見た社長がつぶやいた

 

 

社長「小さくない?」

 

 

はぁ・・・っ!?

 

 

かまくらってこんなもんだから!

 

人が小さくなってぎゅうぎゅう詰めで入れれば充分な物だから!

 

 

えっ・・・小さいって何・・・?

高さ2.5メートルもあって

小さいってどういう事・・・?

 

貴方の知っている『かまくら』ってどんな『かまくら』・・・?

 

 

 

そしてその翌日

 

仕事をしていた私達は

耳慣れない機械音に驚いて顔を見合わせ

 

店の外へ出て

 

 

驚愕した

 

 

なんか

 

トラックが大量の雪を積んで来て

私達が作ったかまくらにその雪ぶっかけてんですけどー!!?

 

 

しかもそのトラックの台数ときたら

1台じゃない

 

3台である

 

 

一体何が起きているのか分からず

ただただ混乱する私達の元に

再び社長がやって来た

 

 

社長「ホースで水かけちゃって」

 

 

えぇぇぇ・・・!?

 

そ・・・そういう『かまくら』・・・!?

 

 

店からホースで水を引き

複雑な表情を浮かべながら大量の雪に水をかける従業員

 

 

すると更にそこへ

ショベルカーがやって来た

 

 

もう

 

何も驚かない

 

 

大量に積み上げられ

水がかかって濡れた雪を

ショベルカーが綺麗にすくい取って積み上げ直し

 

ショベルを使って雪を押し固めて行く

 

 

ゴゥンゴゥン!という機械音と

忙しく動くショベルカーを前に

 

一同唖然

 

 

私「・・・・・・・・・・・」

 

社長「これでお前たちももう寒い思いしなくていいだろ!」

 

 

これはあれだ・・・

 

『金で解決』のやつだ・・・!!!

 

 

その日の夜

いつもならかまくら作りに励む私達だったが

 

ただただ重機が処理していった雪山を見つめ

周りに残ったタイヤ跡や

散らばった雪を片付ける以外の事をする気力が沸かなかった

 

 

これは・・・

 

本当に『かまくら』なのだろうか・・・

 

私達がイメージしていたのは

人の手で作られた

不格好だけど温かみのある『かまくら』だったはずなんだけど・・・

 

 

更にその翌日

夜のうちに凍ったかまく・・・いや

巨大な氷の塊のような物を

再びショベルカーがやって来て

 

不格好な穴を中途半端に開けて帰って行った

 

 

私「これ・・・

  この続きはお前らがやれよ

  って事すかね」

 

Wさん「えぇ~~~!?

    そんな訳なくない!?

    もうここまでやったんなら最後までやらせるでしょー!?」

 

私「・・・・・・・・・そう・・・かなぁ

  そうは思えないんだけど・・・

  ここまでやったんだから後は簡単だろ!

  みたいな事なんじゃないかなぁ・・・」

 

Kさん「いやいや・・・あははっ

    こんな状態になっちゃったらもう

    私達でどうにか出来る物じゃないですよ

    やめてくださいよもう

    ルカさんがそう言うと本当にそうなりそうで

    私ちょっと怖いんですから」

 

 

案の定

 

そこから先の穴掘り作業は

私達の仕事だった

 

 

もうすっかりガチガチに凍った氷の塊を

ツルハシを使って必死の形相で掘るという

およそかまくら作りとは思えない工程

 

その上

ガラス工房のスタッフはほとんどが女性である

 

皆揃いも揃って5分ほどで根を上げて逃げて行く

 

 

ちょっと・・・!!!

こっちは手の平の水膨れが潰れても

必死にやってるんですけど・・・!?

 

 

鉱山夫ってこういう感じだったのかな・・・

なんて事を考えながら

必死に穴を掘りまくる私

 

 

それから3日後

 

再び姿を現した社長は

すぐにその場を立ち去り

 

しばらくして再び戻って来たかと思えば

 

 

ノミを10本ほど置いて行った

 

 

Wさん「ルカさぁぁあん!!!

    社長がこれ置いてったんだけどー!?」

 

私「なんだこれ・・・え?ノミ?

  ・・・ハッ!

  これを使って形を整えろと・・・!?」

 

Wさん「あ!そういう事・・・!?

    ルカさん・・・任せた!」

 

Kさん「こういうのはルカさんお得意でしょう?」

 

 

馬鹿言ってんじゃないよーーー!!!?

 

 

って言うか

なんかもう全然イメージしてたかまくらじゃないんだけど!

 

これは何!?

 

私達は今何を作らされているの・・・!?

 

 

 

最終的に

 

2週間ほどかけて出来上がった巨大かまくら

高さ4メートル

横幅5メートルというとてつもないサイズになり

 

大人が立ったままの姿勢で何人も同時に入り

中で飛び跳ねて写真撮影する事も出来る物になった

 

 

嬉しそうに跳ねながら写真撮影をする

観光客達を

店の中から眺める私達

 

 

私「・・・あれは・・・

  かまくらではないんじゃないかな・・・」

 

Wさん「・・・どっかの国に

    あぁいう家無かった・・・?」

 

Kさん「オーロラ見る時とか

    あぁいうのありますよね・・・!」

 

私「あれは・・・結局なんなんだろう?」

 

Wさん「家?」

 

Kさん「テント?」

 

 

それからものの1週間も経たないうちに

急な暖気が北海道に入り込み

 

あっと言う間に溶けたかまくら(?)は

 

 

ただの『崩落の危険性がある巨大な雪の塊』になり果てた

 

 

 

もう・・・

 

もう二度とかまくらなんか作らねぇ・・・!!!