さすがにそれは無理

 

皆様こんにちは

LUKAでございます

 

 

会社を退職して以来

日中に市場でお買い物をするのが

すっかり私の楽しみになっている

 

 

以前までは

仕事が早く終わった日の夕方にしか行けず

もうその頃には市場も終了

 

魚介類は綺麗さっぱり片付けられ

精肉店くらいしかまともに営業していなかった

 

 

 

もちろん食材はスーパーで買っても良いんだけれど

やっぱり鮮度が全く違う

 

 

魚介類に至っては

市場で買った物は「うわ!うめぇ!箸が止まらねぇ!」

スーパーで買った物は「うん・・・おいしい・・・」

くらいの差があるのだ

 

だから本当なら

いつだって市場でお買い物をしたかった

 

 

せめて時間の自由がきく間くらいは

市場で美味しい物を買って

ご飯をもりもり食べたい・・・!!!

 

 

そんな訳でここ数か月の間

 

私は毎週必ず市場へお買い物に出かけ

 

ぐるっと一周魚介類や野菜を見て回り

最後に精肉店でお肉を購入するのが癖になっていた

 

 

お陰で

 

市場で働く皆さんと

もうすっかり顔なじみ

 

 

魚屋1「姉さん!今日は良い八角入ってるよ!

    八角好きでしょ!?」

 

魚屋2「姉さん!今日のシジミ大きいよー!

    おまけすっから買わないかい!?」

 

八百屋1「お姉さん今日の大根辛くて美味しいよ!」

 

八百屋2「お姉ちゃん!

     これハネのやつ持ってきな!」

 

精肉店「今日はカルビ良い感じの所出せるよ!」

 

 

勧められた物を見ると

どれも本当に美味しそうな物ばかりで

ついつい毎回言われるがままに買ってしまうから

もしかすると

「あいつは良いカモだ!」と思われて

やたら話しかけられているだけかも知れないけれど・・・!

 

 

 

そんな先日の事

 

色々と用事を足していたら

市場へ行くのが夕方になってしまった

 

 

この時間じゃもうきっと魚介類は期待できまい・・・

 

 

最近は毎週市場でしっかり買い物をするから

次の週までに消費する癖がついてしまっており

この日に何も魚介類を補充出来ないと思うと

酷く不安になった

 

 

明日からのお魚どうしよう・・・

 

スーパーで買う・・・?

でもあんまり美味しくないしなぁ・・・!

 

すっかり美味しい魚介類に慣れてしまったから

スーパーの魚を食べると

ついつい残しちゃうようになったんだよなぁ・・・!!!

 

参ったなぁ・・・!

 

脂ののった美味しい鮭を買っておこうと思っていたのに・・・!

 

 

 

市場の駐車場に車を停め

急ぎ足で市場の中に入ると

 

やはり

 

魚介類は綺麗さっぱり片付けられた後だった

 

 

だと思ったんだよなぁー!!!

 

 

だけどもしかすると・・・

 

もしかするとまだ何か残している店が

あるかも知れない・・・!

 

 

そんな思いで

精肉店へ直行するルートではなく

お魚屋さんを見て回れるルートを選んだ私だったが

 

どこもかしこも電気が消され

 

いつも魚が所狭しと並べられている台の上は

綺麗に磨かれて片付けられてしまっている

 

 

いやぁまぁそうだよねぇ・・・

この時間になるともう客足もまばらだし

そりゃぁ片付けるわな・・・

 

 

しょんぼりした気持ちで

清掃の為に水溜まりが出来上がった道を歩いていると

 

 

魚屋1「お!?姉さん!今日は遅いね!」

 

私「あ、こんばんはー」

 

魚屋1「もうなんも無いっしょ!?」

 

私「無いですねぇー!

  何かあれば良いなぁーと思って来たんですけど」

 

魚屋1「3つ先の所!

    いつもだらだら片付けてっから行ってみな!

    まだ何かあっかもしんないよ!」

 

 

え!?

 

本当!!!?

 

 

なになに!?

なにがあるの!?

 

 

期待に胸を躍らせながら

小走りで3つ先の魚屋さんの所へ行った

 

 

すると

 

店主のおじさんは

こちらに背を向けて

発泡スチロールのケースに何かを詰めている真っ最中だった

 

 

あぁー!!!

 

やっぱりここももう片付け終了か!

 

 

と思ったその時

 

 

魚屋2「・・・・・・・・・・よいっ・・・しょっ!!!

    ・・・お!?

    姉さん今日は遅いな!」

 

 

ですよねぇ!!!

 

ほんっと来るのが遅すぎた!

 

 

魚屋2「あ!姉さん!

    ちょっとちょっと!

    安くするからタコ買ってかない!?」

 

私「タコ?」

 

魚屋2「1,000円で良いよ!」

 

 

1,000円・・・?

 

 

多分ミズダコだよね?

 

1,000円にしてくれるって事は

足1本かな

 

 

魚屋2「持って帰ってもしゃーないし!

    姉さん買ってくれるなら1,000円で良いから!」

 

 

ほんと!?

 

足1本2,000円くらいする事もあるのに

1,000円で良いなんて太っ腹!

 

えーっ!

じゃあ今日はタコのお刺身でも作って食べて

残りは冷凍しておこうかなぁー!

 

 

財布から

1,000円札を取り出し

ニコニコ笑顔で魚屋のおじさんを見つめていた

 

 

おじさんは

店の奥の台に置かれていた

発砲スチロールの蓋を開け

 

 

 

ベロンとタコを取り出した

 

 

 

私「!!!!!?

  んあっ!!!?」

 

魚屋2「今日のは立派だったんだけどねぇー

    売れなかったんだわー」

 

 

 

ちょ・・・

 

ちょっと待って!!!?

 

 

そのタコ

 

 

1匹まんまで2メートル近くあると思うんですけど!!?

 

 

 

まるで宇宙人のようなサイズのタコを目にして

私は思わず後ずさった

 

 

私「ちょ・・・まっ・・・

  待って待って!!?

  そんなサイズは無理だ!!!

  私には無理だ!!!(錯乱状態)」

 

魚屋2「えー!?

    気持ち悪いってかい!」

 

私「きも・・・?いや違う違う!

  私独り身なんですよ!

  そんなの冷凍庫はおろか

  冷蔵庫にも入りきらない!

  毎日タコしか食べられなくなっちゃう・・・!」

 

魚屋2「そんな事言わないで持ってってよ~!」

 

 

そんな事言われても・・・!!!

 

 

魚屋2「・・・え!?あれ!?一人なの!?

    いつもいっぱい買ってくから

    旦那さんに食べさせてやってるんだと思ってたよ!」

 

魚屋3「あれ!?そうなの!?」

 

 

どれほど衝撃的だったのだろうか

 

それまで全くこちらを気にせずひたすら清掃作業をしていた

いつも居る女性店員さんすらも

驚いてこちらを振り返った

 

 

私「わ、私一人で食ってますけど・・・」

 

魚屋2「そうなのー!?

    いやー立派なタコでしょー?

    駄目?これ?」

 

 

チラッと

買って実家に持って行く

という考えもよぎったけれど

 

実家の業務用フリーザーも

私が秋に大量に収穫したきのこのせいで

パンッパンに詰まって隙間が無い事を思い出した

 

 

そんな所にタコ一匹なんて持って行ったら

怒られてしまうわ・・・!!!

 

 

私「ちょ・・・ちょっと・・・

  どう考えても無理だなぁ・・・

  うちの冷凍庫こんなサイズだから・・・!」

 

 

必死に「無理です!」という事をアピールしようと

冷凍庫のサイズを両手で伝える

 

 

魚屋2「あぁぁ~~~だーいじょうぶ!

    入る入る!」

 

 

馬鹿言ってんじゃないよ!!!

 

タコ以外にも色々詰まってんだ!

どうやったって入らねぇよ!!!

 

 

私「足一本くらいだったら買おうと思ったけど

  さすがにそれは無理ですよ・・・!」

 

魚屋2「いやーこれ買ってって欲しいんだけどなぁ!

    ボッチとかうめぇよ~!?」

 

 

知ってる!

 

それは知ってるけども・・・!

 

 

魚屋2「新鮮だからから揚げにして食ってもうめぇよ!」

 

 

それも知ってるけども・・・!!!

 

 

魚屋2「やっぱり一匹まんまっつーのが駄目だったかねぇ」

 

 

そりゃぁまぁ普通のご家庭では

タコ1匹丸ごと買うなんて事

滅多に無いでしょうしね・・・!?

 

 

この後も

何度も何度も

「良いじゃない1,000円なら買ったって!」

と言われたが

 

必死に断り続けた結果

 

 

魚屋2「しゃーないなぁ~!

    じゃあ足1本で200円!」

 

 

・・・・・・・・・えぇぇぇーーー!!!?

 

 

 

 

それでもいいなら

そんな宇宙人みたいなタコ

ごり押ししてこないでよぉお!!?