インパクトが凄まじい女性だった

皆様こんにちは

LUKAでございます

 

 

先日

 

私が住んでいる町に

大手回転寿司チェーン店がやってきた

 

 

私はあまり興味が無かったんだけれど

母はどうやら興味津々で早速行って来たとの事

 

相変わらずのミーハーっぷりである

 

 

私「どうだった?」

 

母「どうもこうもないわ!」

 

私「安いけど

  ネタが小さくて薄くて食べ応えが無くて

  シャリが機械で握った感丸出しで

  箸で掴んだら真っ二つに折れる感じだった?」

 

母「あんたよく知ってんでしょ・・・!

  なんでそんなの知ってる?」

 

 

元寿司屋の従業員舐めんな・・・!

 

当時からあった寿司屋の内部情報や機械事情なんて

大体全部把握してるし

それほど進化しちゃいないんだよ・・・!!!

 

 

 

そもそも母も私も

普段結構ちゃんとしたお値段のお寿司屋さんでしか

お寿司を食べない人間だし

 

食べる時は

『ウニ』『アワビ』『トロ』『ヒラメ』『ブリ』

等の若干お高いネタばかりである

 

そんな人達が

一皿100円の回転寿司屋で満足するはずがなかろう・・・!?

 

 

どうやらこの回転寿司チェーン店

随分長い事オープニングスタッフを募集していたけれど

なかなか人手が集まらず

オープンが若干遅れたらしい

 

 

それを聞いて

かつて寿司屋で働いていた頃に

オープニングスタッフ育成に駆り出された時の事を思い出した

 

 

当時私はまだ19歳かな・・・?

 

高校を卒業して

正社員になってちょっと経った辺りだっただろうか

 

 

高校2年生からそこでのアルバイトを始め

頑張れば頑張った分だけ時給がメキメキ上がる事に興奮を覚えた私は

誰よりも必死に仕事に打ち込んでいた

 

更には

頭がこん・・・・っなにも悪い私を

正社員としてそのまま採用して貰えた事にも

大層感謝していた事も相まって

 

とにもかくにも

仕事に夢中になっていた時期だったと言える

 

 

本来であれば

新しい店舗がオープンする際は

各店の副店長クラスが人材育成のヘルプとして入るんだけれど

私が居た店舗には当時副店長が不在

 

ホールの責任者であった私が派遣される事になった

 

 

期間にして一か月くらいだったのかなぁ・・・

 

 

オープニングスタッフの育成をした事がある人なら

あの過酷さを充分に承知している事でしょう

 

 

育成を担当する人間には

ほぼ休みが無い・・・!!!

 

 

ホテルに泊まりこんで

朝早くから仕込みの為に出社する

 

 

大体これが6時頃

 

 

板前さんや仕込み担当者達が出勤してきたら

その人達に付きっ切りであれこれ指導をする

 

 

8時頃になったら今度は

接客の担当者達が出勤してくる

 

この時間帯は主にパートさん達ですね

 

そこから私は

ホールの仕組みについてやら

動きなんかを事細かく指導していく

 

中にはもちろん覚えの悪い人も居るけれど

ここで怒る事は出来ない

 

何がどうして覚えられないのか

どこをどう改善しなければならないのかを

それぞれに最も分かりやすく教えて行く必要がある

 

 

すっげー神経疲れる

 

 

だって私まだ19歳ですからね

 

 

偉そうな感じで指導しているけれど

100%私より目上の人達に物を教えて行く

というのは何かと本当に気を遣う作業である

 

 

17時になるとパートさん達が帰って行き

代わりに学生のアルバイト達が出勤してくる

 

 

これが大変なんだわ・・・!

 

 

大学生や高校生だから

私とそう年齢は変わらないんだけれど

 

皆なんっつーか不真面目・・・!

 

 

当時私より1歳年上で大学生の20歳の女性かな

 

 

私「その首につけているアクセサリーは

  仕事中は外してください」

 

女「えっこれ!?

  これはー・・・無理ですー」

 

私「お渡ししたマニュアルにも記載していますが

  勤務中はアクセサリーの着用は禁止です

  ロッカーへ戻って外してから

  もう一度来てください(にっこり)」

 

男「それ外さなきゃ駄目?」

 

 

え?

 

 

突然

若い兄ちゃんが割り込んできた

 

 

男「それ俺がつけてやった首輪なんだけどー」

 

 

・・・・・・・・え?

 

なんて?

 

く、首輪!?

 

犬!?

犬なのこの女!?

 

 

・・・って言うかお前はカウンター担当だろ!?

何ヘラヘラ笑いながら一人だけこっち来てんだよ!

 

まだ中で指導受けてる最中だろうが!

 

 

女「ねー!」

 

男「ねー!」

 

 

え?

何?

何なの?

 

これぶん殴って良いの?

 

 

私「・・・・・・すぅーーーー

  ・・・・・・ふぅーーーー(深呼吸で必死に冷静さを保つ)

  身だしなみを改められないのなら

  本日はこのまま帰って頂いて結構ですよ(にっこり)」

 

女「え~そんなに駄目なのこれ~

  あんまり見えないと思うけどー

  ほら!見える!?」

 

 

この女性が首につけていたのは

真っ黒なチョーカー

 

我々が着ている制服は

襟のあるシャツで

若干襟元が開いているタイプである

 

 

見えない訳がねぇだろうが・・・!!!

 

見えてなかったらそもそも私だって指摘してねぇんだよ・・・!

 

 

私「外すか外さないか

  帰るか帰らないか決めて下さい

  皆さんをこれ以上待たせる訳にはいきません」

 

女「だってー」

 

男「じゃあ外せば?」

 

女「良いのー?

  後でちゃんとつけるね!」

 

 

女性が首の後ろに両手を回し

 

 

女「えーーー取れないー」

 

男「ちょっとこっち!こっち来な!」

 

 

結局男がカウンター側から手を伸ばし

女がつけているチョーカーを外してあげる

 

 

なんなんだこいつら・・・

 

 

偏頭痛を感じながら

そちらを見ないようにして

他の人達の方に向き直って待機していると

 

 

女「これでだいじょーぶですかー?」

 

私「外したならっ・・・・・・・・・・」

 

 

チョーカーついてた所に

キスマークべっちょり付いてる・・・!!!

 

 

ふざっけんなよマジで・・・!

 

お前らは発情期のサルか!!!

 

 

いやまぁね!?

19~20歳なんて言ったら

そういうお年頃でしょうよね!?

 

仕事に命かけてます!

みたいな私のような人間の方が珍しいのでしょう!

 

 

だとしても

 

 

ぶん殴るぞマジで・・・

 

 

私「・・・ロッカーへ戻って

  鏡を確認してください

  ファンデーションを塗って見えないようにしてから

  ホールに出てきてください(にっこり)」

 

女「えーでも今日は練習でしょー?」

 

 

殴りてぇぇぇえええ!!!

 

 

店長の顔に泥を塗る訳にはいかないから

ここは何が何でも我慢しなきゃならねぇけど

お前そんなのうちの店で言ったら

店長からがっつりケツに蹴り入るからな・・・!!!?

 

 

女性を無視して

他の人達の指導を開始する

 

他のバイト達も

やっぱりどこか遊び半分に見える

 

恐らくこれは

実際にはまだお客さんを入れていない状態だから

気が抜けているのであろう

 

 

・・・が

 

こっちはこの後

地獄の反省会が待ってるんだよ・・・!

 

 

全力で取り組んでもらわないと

次の指導に移れねぇんだ・・・!

 

全員必死にやれや・・・!!!

 

 

そして21時頃から

ようやく閉店&清掃の練習を開始する

 

 

22時

 

地獄の反省会開幕である

 

指導を担当した人間が雁首揃えて

自分が一体何をどこまで指導出来たか

問題点は何だったのか

明日以降どのようにして指導し

オープンまでに完璧な布陣を整えるか

 

なんて事を細かく話し合う

 

 

これがまぁーーー

どこもかしこも問題点だらけなんだ・・・!

 

 

板前志望で入って来た人が

「元々板前やってました!」という履歴書の提出と

自己申告をしていたにも関わらず

とてもじゃないけれど経験があるようには見えない

 

とか

 

裏方で雇ったパートのおばちゃんが

途中から姿を消してしまった

 

とか

 

高校生の男女が何度も

キャッキャウフウフ楽し気に会話をしていて

全く話を聞いていない

 

とか

 

今日から出勤予定だった人が来ていない

電話を掛けても電話に出ない

 

とか

 

とにもかくにも問題まみれ

 

 

なんで何組も学生のカップルがセットで採用されてるんだよ・・・!

うっぜぇな・・・!!!

仕事に支障をきたすくらいなら別々の所で働けよ・・・!

 

「この2人は恐らくカップルです

 出来るだけ離れたポジションになるよう配置を変えましょう」

とか真面目な顔で話し合う

いい歳した大人たちの身にもなってくれよ・・・!

 

 

新規店舗のオープンというのはどうやら

既にあれこれ出来上がっている所へ

1人2人新しく採用した人が入って来るのとは

全く訳が違うらしい

 

何度かオープニングスタッフ育成に携わった事がある人物は

「どこも最初はこうなんだよ・・・」

と慣れた感じで言っていたけれど

 

まだ19歳の私にはとても理解出来ない

 

 

金を貰っている以上

客が入っていようがいまいが真面目に働け・・・!!!

 

 

 

やたらと長い地獄の反省会を終えた後は

新店舗の店長に就任する予定の人から

手厚い接待を受ける事になる

 

毎晩毎晩

1時頃まで飲み会に参加させられ

 

翌朝5時にゾンビのようにベッドから起き上がる

 

 

辛い

 

 

接待とか豪華な食事とか要らないんだ

 

私はただただ睡眠時間が欲しいだけなんだ・・・!

 

 

 

実際にそこで働く事になる

パートさんやアルバイト

正社員の人なんかは

もうしっかりシフト通りに休みを貰っているんだけれど

 

指導する側は人手が足りていないもんだから

休みなんて全く無い状態が続く

 

 

私の場合は

前日に本来の店長から電話が掛かって来て

「明日3人休む事になって無理だから

 午前中だけこっち戻って来て!

 電車代後で渡すから!

 そっちの店長には俺から話つけといたから!」

なんていうのもあった

 

 

指導担当者達&新店舗の店長がみるみる痩せこけて行く中

教えられている当の本人たちは

実に気楽そうなご様子である

 

 

そして1か月後のオープン当日

 

 

実際にお客さんを迎え

私達指導担当者が『ただ見守るだけ』に徹した結果

 

教えられていた側は

恐ろしいほど滅茶苦茶な動きになっていた

 

 

それをジッと見守る指導担当者達の

まるで笑顔のマスクを顔面に貼り付けただけのような

目に一切の光が宿っていない不気味な笑顔は

いまだに忘れられない

 

 

そこから更に一週間様子見を行い

 

ようやく私達がそれぞれ元の店舗へ帰る日がやって来た

 

 

やっと終わった・・・!!!

 

 

まるで地獄のような日々だった・・・!!!

 

 

ほんっと!

ほんっと同年代は無理だ!

 

自分よりも圧倒的に目上の人にものを教えるのも

なかなかどうして神経をすり減らすものだけれど

 

それ以上に同年代のあの・・・なんだ・・・

軽過ぎる雰囲気って言うの!?

あれが全然合わねぇわ!

 

大体こいつら何であんなに馴れ馴れしいの!?

同年代だからって明らかに舐めてかかってくんのやめてよ!

 

あーーーもーーー二度とこいつらには会いたくねぇ!

 

 

 

やっと解放された!

という気持ちで完全に浮かれまくっていた私

 

 

店のスタッフたちに見送られて

それぞれが帰路につこうとしていたその時

 

 

チョーカー女が私に駆け寄って来た

 

 

女「ルカさんルカさーん!」

 

私「・・・・・・・・はい?

  (なんだよ勘弁してくれよ一番苦手だよあんた)」

 

女「あたしー・・・

  なななんとぉ~!

  妊娠したんですよぉーーー!

  大学もここも辞めてあいつと結婚しますぅー!!」

 

 

・・・・・・はぁああああああああああ!!!?

 

 

待って・・・!?

 

待ってよ・・・!!!?

 

言っておくけど

あんた一番手ぇ掛かってたからね・・・!?

 

 

何度も何度もアホみてぇな事しでかして

地獄の反省会でも何度も何度も名前が出るほど

すっげー問題児だったんだよ・・・!?

 

 

それでも私は必死に・・・

 

 

それでも私はぁぁあああ必死にぃぃいい!!!

 

 

っつーかなんだその喋り方ぁぁあ!!!

何度も何度も直すように指導して

ちょっと良くなってたはずだろうがぁぁ!

 

そんなんだからオープン初日から2日連続で

「〇〇さんという方の話し方に苛立ちました」

って苦情の紙が入ってるんだよぉお!

 

 

 

この日以来

 

『オープニングスタッフ募集中!』

 

という文字列を見ただけで

 

 

チョーカー女の『首輪』の事しか連想しなくなった私であった

 

 

 

今頃

幸せな家庭を築いていると・・・良いですね・・・ふふっ