あの素直さが羨ましい

 

皆様こんにちは

LUKAでございます

 

 

先日

いつものように歯医者さんへ行った時の事

 

 

随分と歯茎ギリギリの所を削っており

・・・いや

歯茎も微妙に削っており

 

結構な痛みだなぁ・・・

と思いながら我慢していた

 

 

おそらく自前の歯全体に覆い被せるように

型を取って作った被せ物をするから

その関係でかなりギリギリラインを削らなければならないのだろう

 

 

継続的に歯茎に痛みが走る

 

 

いやほんっとなかなかどうして痛いけれど

「痛い!」なんて言えた義理じゃねぇ

 

自分が歯医者さんに頻繁に通わなかったから招いた結果だ

 

じっと我慢するしかないな・・・

 

 

ただ

口を漱ぐ度にとんでもない量の血が出てきた

 

 

えぇぇ・・・!?

これは親知らずを抜いた時以上の出血だ・・・!!!

 

さっきからやたらと鉄っぽい味がするとは思っていたけれど

こんなに血ぃ出てる!?

 

 

そっと横目で作業台の上を見ると

そこにも血まみれの脱脂綿が大量に積み上げられている

 

 

あれ?

 

これ痛いって言った方が良いのかな?

 

 

そんなことを考えながら背もたれに背中を預けると

再び椅子が倒されて

歯と歯茎をゴリゴリやられる

 

 

まだ終わりじゃなかったのか・・・!?

 

すげー削るじゃん!?

 

もう結構歯茎の痛み限界なんだけど

まだやるの・・・!!?

 

 

しかもいつもだったら先生が

「大丈夫?」と何度も心配してくれるのに

今回は一切そういう言葉をかけてくれない

 

 

なんだろ

痛そうにしていないのが原因なのかな・・・

 

血がこれだけ出てるんだからすっげー痛いっていうのは

分かると思うんだけど・・・

 

継続的な痛みに対して私が非常に我慢強いのが悪いのかな?

もっと派手に「うわぁん痛いよぅ!」みたいな

苦痛を表現するような表情をした方が良いんだろうか・・・?

 

 

そうだ・・・!

 

表情で表現してみよう!

 

そしたらちょっとくらい手加減してくれるかもしれない!

 

 

ギュッと眉毛の辺りに力を入れて

眉間にしわを寄せてみた

 

 

 

先生!実は結構痛いです!!!

 

私血が出てもあっという間に止まっちゃうし

そういう素振り見せた事無いから

大丈夫なのかな?って思っちゃってませんか!?

 

血は止まったとしても

そこが急速再生されているわけじゃないんですよ・・・!

 

先生ちょっと手加減を・・・!!!

 

 

しかし

先生の手はその勢いを緩める事が無かった

 

 

 

・・・・・・・あ

 

 

今日目元にタオル掛けられてるから

先生から眉間なんて見えねぇじゃん・・・!!!

 

 

 

もうこれは仕方ねぇわ・・・!

 

大人しく我慢しよう・・・

 

 

継続的な痛みに何度も何度も絶え

大層な量の流血をした私は

1時間半後

ぐったりとしながら椅子に座っていた

 

 

その斜め後ろで

私の仮歯の形を綺麗に整えている助手さん

 

 

 

はぁ・・・

血は止まった様子だけどすっごい痛い・・・

 

今はまだ良いけれど

きっとこの歯茎の痛みは明日も続くレベルだ・・・

 

いつも「鎮痛剤出しますか?」と聞かれて

お断りしている私だけれど

今回のこれはさすがにちょっと鎮痛剤欲しい・・・

 

 

でも

こんな痛みに比べたら

今までもっと痛い怪我を何度もした事があったし

鎮痛剤なんて効かないような事だってあった

 

それを考えると我慢出来ない事もない・・・

 

 

あぁでも痛いなぁちくしょう・・・!

 

 

助手「そうだルカさん

   今お母さまがいらっしゃってますよ」

 

私「・・・・・・・・・え?」

 

助手「今待合室で待ってます」

 

 

へぇ!?

 

あれ?

いつもだったら「明日休みだよ」なんて電話をしてくるのに

今回一切電話が無かったな?

 

でも歯医者の予約を入れたって事は休みなんだろう

 

 

何故こっそり休みを・・・

 

 

・・・・・・・さては奴

 

 

パチンコへ行くつもりだな・・・!?

 

 

もし万が一

「じゃあ実家に顔出すわ」

なんて言われたらおちおちパチンコにも行けなくなるし

「またパチンコか!」

と怒られるからこっそり休みを過ごす気に違いない・・・!

 

 

・・・行ってやろうかな・・・実家・・・

 

歯茎痛くてむしゃくしゃするから

嫌がらせしてやるのも悪くねぇ・・・

 

 

助手「ルカ母さーん

   中へお入りくださーい!」

 

 

その瞬間

ぐるっと座り方を変えて

入口をじっと見つめた

 

 

ゆっくりとドアが開き

母が入ってきた

 

 

そして

 

母と目が合った

 

 

母「えっ」

 

私「・・・・・・・・・・(ジーッ)」

 

母「あっ・・・あぁどうもー・・・

  こんにちは・・・」

 

私「こんにちは」

 

母「・・・そ、それじゃあ失礼しまーす」

 

私「おいちょっと待て

  あんた今日休みなんじゃないか」

 

母「・・・・えっ?

  な、何のお話ですか?

  やめてくださいよ

  休みなんてあるはずないじゃないですか」

 

私「あんた

  休みの日しか歯医者の予約入れないだろ」

 

母「・・・・・・・・・・えっえっ?

  ちょっと何のお話をされているのか

  分からないですねぇ・・・」

 

私「あんた・・・

  この後まっすぐどっか行く気だろ!」

 

母「言いがかりです!!!」

 

私「へぇ~~~~

  じゃあこの後実家行くね

  あんたが会社行くまで一緒に過ごそうよ」

 

母「やめてください!!!

  今日はどうか勘弁してください!

  行かせてください!!!」

 

 

ほら見ろ!

 

やっぱりパチンコ行く気満々じゃねぇか!

 

 

助手「本当に仲良しですよねぇ」

 

助手2「羨ましいですよねぇ」

 

 

『パチンコ』という単語は母の名誉の為に出していないから

分からないかもしれないけれど

自分の親のギャンブルを咎めている会話だから

何一つ羨ましい部分なんて無いと思うんだけど・・・

 

 

いや

まぁ母の場合はそのギャンブルに熱を入れて

借金をこさえてくる事もないし

あくまでも趣味の範囲でとどめているから

咎める必要なんてないんだけどね!

 

人それぞれ夢中になれる事は違うし

人様に迷惑をかけていないのなら

自由に何をやったって良いと思うんだ

 

 

ただちょっと

たまにこうやって意地悪を言いたくなるだけ

 

・・・というか

歯茎の痛さで八つ当たりしているだけだから・・・!

 

 

私「どうもなんねぇな・・・

  夢中になって置き引きされるなよ・・・」

 

母「あっ、はい!

  じゃあすいませーん!

  行かせて頂きますね!!!(満面の笑み)」

 

 

許可が出た途端にこの変わり身よ・・・!

 

 

仕方のない奴だなぁ・・・!

 

 

 

治療を終えて診察室を出た私は

スリッパからブーツに履き替えようとして

 

ブーツの中に何やらおかしな物が入っている事に気付いた

 

 

ん???

 

 

ブーツの中に入っていた物を取り上げてみる

 

 

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おや?

 

これは・・・どこからかゴミが・・・?

 

 

周りを見上げつつ

この紙を裏返してみた

 

 

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・・・・・・・あいつ・・・!

 

 

私に気付かれないように診察室に入って

そっとばれないようにパチンコへ行く気だったな!!!?

 

 

ほんっとうにどうしようもない奴だよ・・・!!!

 

 

 

仕方ないので

母がパチンコ中に口寂しくならないよう

ガムをブーツの中に大量に詰め込んでおいた

 

 

 

優しい娘に感謝しながらガムを噛み締めろ・・・!!!