3,000円が偉大だった時

皆様こんにちは

LUKAでございます

 

 

昨日の記事の中で

齢36歳にして

年配の見知らぬおじさんに

いわれの無い事で何度も怒られた私

 

 

ちくしょう

 

 

って思った

 

 

ちくしょう!

一番前の席に座ったばかりに・・・!!!

 

 

学生時代

皆さんもそうだったと思うんですけど

一番前の席って

素行の悪さやその他諸々が

全部筒抜けになる場所だったと思いませんか?

 

落書きもバレりゃ

居眠りもバレる

 

とにかく何をしていても

先生に間違いなく見つかる場所だった

 

 

だから私

 

高校時代

一番前の席には絶対にならなかった

 

 

私が入学した高校は

物凄く分かりやすいクラス分けが毎年行われており

 

 

【1組】

最も成績の良い進学希望の生徒が集まるクラス1つ

 

【2組】

商業関係の科目を受講出来る商業科のクラス1つ

 

【3組】

ビジネス系の科目を受講出来るビジネス科のクラス1つ

 

【4組~8組】

数字が若い順に成績が良い人達を振り分けている

普通科のクラス4つ

 

みたいな感じになっていた

 

 

要するに4組は

あぁー惜しいな!

もうちょっと入学試験の結果が良ければ進学科に入れたのにね!

 

という人達で

5~6組はまぁ普通

 

7組辺りから突然

茶髪の生徒たちが目立つようになり始め

 

 

8組はもうなんだ・・・

1か月に一人退学者が出るような

荒くれ者集団が9割

 

すっごい真面目そうだけど

違う趣味に熱中し過ぎて勉強は全然出来ないとか

そもそも中学生の頃から登校していなくて

勉強が全然出来ない

 

という生徒が1割を占めるクラスだった

 

 

 

一人一人が個性的過ぎて

協調性の欠片も無いか

 

その中で仲良しグループが出来たとしても

決して良い交わり方にはならず

仲良く揃って警察沙汰になっちゃう方向へ突っ走る

 

 

担任の先生が

「一人では面倒が見切れない!」

と言い放ち

教頭先生が副担任として

HR中は教室の一番後ろでずっと監視をしており

 

 

そんな中でも

毎日誰かがラジカセを持って来て

『パーティー』だか『クラブ』で踊る為のダンスを練習していたり

 

コンセントにコードを差し込み

こてで髪の毛を巻いていたり

 

何故か女子生徒と制服を交換して遊んでいる男子が居たり

 

ジャージ姿で床に転がって

気持ちよさそうに寝ている生徒が居たりする

 

 

教室内の机や椅子が

綺麗にちゃんと並べられている事なんて

まぁーーーー無かった

 

 

数多の教師が

「このクラスは授業にならないから

 授業を行いません

 黒板に書いて行くだけにしますので

 写したい人が写せばいい!」

と言い放ち

 

チャイムが鳴ったら教室へやって来て

ただ黙々と無言で黒板に文字を書き

いっぱいになったら黒板の端から少し消して

また無言で書き続け

チャイムと同時に無言のまま立ち去る

 

 

進学クラスの生徒たちからは

まるで汚物を見るような目で見られる

それが8組

 

 

 

私は

 

8組でした!!!

 

 

『下の下』と呼ばれる8組!

 

 

いやぁー勉強は苦手でしたね!

 

入学と同時に『バイトの方が大事だ!』と思って

全く授業を聞かずに

必要な単位だけを計算してサボる

悪い生徒になってしまいました

 

そして

何度か授業をサボっている内に

全く知識が追い付かなくなって

もう後から追う気力が沸かなくなっちゃう

 

 

結果

入学した当初は違うクラスだったんですけど

2年に上がると同時に8組に振り分けられた

 

 

おかしいなぁー

現国だけは3年間ずっと学年トップだったし

英語も十番以内だったのになぁー

 

数学・歴史(社会)・科学の0点が駄目だったかぁー

 

 

ただこの8組

 

授業中におならをする女子まで居るようなクラスで

 

 

全然気負う必要が無かった

 

 

授業中に寝ていても咎められる事がな・・・

いやあったけど

最初は起こされていたけれど

 

気にするのは教師だけで

クラスの生徒たちは誰も気にしないんですよ

 

「いいじゃん先生

 その子バイトで疲れてんだから

 寝かせておいてあげなよー」

 

とか言って笑いながら庇ってくれちゃう

 

 

単独行動が好きで

女子と一緒にトイレとか行けないし

休み時間も皆とお喋りするのが苦手で

基本学校は「睡眠時間を補う場所」と思いたかった私にとって

これほど性に合っていたクラスは無かった

 

 

どんなに異質な行動を取っても

皆個性派揃いだから浮かないんだ

 

 

 

だから

こんな汚い事も出来た

 

『座席をお金で譲って貰う』

 

 

およそ学生が考える事でもないし

受け入れる生徒も居なさそうなもんなんだけど・・・

 

 

当時クラス内での席替えは

『じゃんけん大会』

または

『くじ引き』

で決められていた

 

8組は何故かやたらと席替えが好きなクラスで

個性が強い生徒たちに

「席替え!席替え!席替え!」

と他の階にまで響きそうな大声で迫られたら

先生もとても「絶対にしない!」とは言えなかったのだろう

 

一か月に一度くらいの頻度で

席替えが行われていた気がする

 

 

でまぁ何度目かの朝のHRでの席替えで

私が一番前の席になる機会が

2年間の中でたった一度だけあったんですよ

 

 

くじ運も強かったし

じゃんけんもやたら強かったので

いつも窓際の後ろから3番目以内の席を引いてきたんだけど

 

 

この時は

くじを引いた瞬間

 

くじの番号と黒板を見比べて真顔になった

 

 

(一番前のど真ん中・・・)

 

 

しばらく立ち尽くしていたと思う

 

 

時間が無いので

さっさと全員くじを引いて

授業が始まる前に大移動をしなきゃならないのに

 

こりゃー困った

 

受け入れがたい

 

 

一番前のど真ん中だろうと

皆気にせず自由にやっているから

私もそうすれば良いんだけれど・・・

 

ただ先生の声がうるさすぎて(失礼)

全然熟睡出来ない気がするんだよなぁー・・・

 

 

 

そこで私は

くるっと踵を返して

くじを開いた状態で皆の方に向け

 

口を開いた

 

 

私「一番窓際の

  後ろから3番目以内の席

  3,000円で売ってくれる人ぼしゅーちゅー」

 

 

冗談のつもりだった

 

 

先生「そういうのは駄目だよ!!?」

 

 

わーかってるよ~

 

大体窓際の後ろの方の席を

たった3,000円で

一番前のど真ん中と交換する人なんか

居るはずないじゃーん!

 

 

私「分かってますよ~

  ちょっと言ってみただけですよー

  そんな先生の目の前で席の売買なんて」

 

女子「マジで!!?」

 

 

え?

 

 

先生から目線を外し

教室の方を見ると

 

すっげー真顔でこちらを見ている生徒が

複数居た

 

 

女子「ちょっと!

   ルカ3,000円出すって!」

 

女子「え?マジで?

   なになに?

   窓際の後ろから何番目まで!?」

 

男子「あぁっ・・・!

   惜しい俺後ろから4番目・・・

   4番じゃ駄目?」

 

私「4番目だとまだここからよく見えるから駄目」

 

 

・・・じゃないよ!!!

 

いやいや!

マジで買う気なの!?

 

 

たった3,000円で!!!?

 

 

この時私は

完全な勤労少女であった

 

月にバイト代で10~18万稼ぐ私にとって

3,000円は『はした金』と呼んでも過言じゃない

 

一日5,000円稼いだうちの3,000円を

日中の安眠と交換出来るなら

とてつもなくお安い認識だったのだ

 

なんなら

バイトへ通うのに毎回タクシーを利用しており

「より多くのお金を稼ぐのを目的とし

 その目的をよりよい環境下で達成する為

 ストレス軽減に掛かるお金は『必要経費』」

と思っていた

 

 

しかしどうやら

アルバイトをしていない生徒にとって

3,000円はなかなかの大金だったという事だろう

 

 

凄い勢いでくじを引く生徒が現れた

 

 

女子「3,000円こいぃいいい!!!」

 

男子「はい駄目ー!

   次俺!俺!」

 

 

う・・・嘘でしょ・・・?

 

 

さきほどまで

『自分がどこの席になるか

 純粋に席替えを楽しんでいた』生徒たちが

 

一瞬にして

『自分の引き当てた席が

 3,000円になるかどうかのギャンブル』に励む

金の亡者たちに変わった瞬間であった

 

 

他のクラスだったら

こうはならなかった事だろう

 

 

私の発言は「ただの冗談」で済まされていたに違いない・・・

 

 

 

そして

意外な結末が訪れた

 

 

女子「ルカさん

   窓際の後ろから2番目出ました

   売りたいんですけど

   1番後ろの人もいるかも知れないから

   待ってた方が良いですか?」

 

私「・・・・・・・・!!?」

 

 

滅茶苦茶黒髪で

眼鏡をかけた

名前も知らない超真面目系

(だけど残念ながら勉強は出来ない)女子が

私の席へやって来て番号が書かれた紙を見せて来た

 

 

私「本当に3,000円で良いの?

  最低でも一か月は一番前でど真ん中だよ?

  それにお金で売ったとなると

  先生からも目ぇ付けられると思うけど」

 

女子「・・・・・・・・(ニヤッ)」

 

 

 

良いんだ

 

すんげー嬉しそうな顔しとる

 

 

真面目な顔して・・・

 

おぬしも悪よのぉ!!!

 

 

私「そこが問題無しなら即決で」

 

女子「お願いします」

 

私「ご協力ありがとうございまーす!

  あ、あとで抜け出してコンビニ行くんだけど

  なんかアイスおまけで買って来てあげるね」

 

女子「ありがとうございます!」

 

 

財布から3,000円を取り出して差し出すと

その子は嬉しそうな顔をして

私が引いたくじと

自分が引いたくじを交換して

自分の今の席へ戻って行った

 

 

皆決死の形相で3,000円を狙ってるから

一応声掛けた方が良いのかなぁ・・・

 

立ち上がろうとしたその瞬間

 

 

男子「うぉおおおお!!!一番後ろ当たった!

   ルカさん!ルカさん!!!」

 

私「あ、ごめん

  もう取り引きは終了いたしました

  またのご利用をお待ちしております

  皆様ご協力ありがとうございましたー!

  また次回があったらよろしくですー!

  ちなみにこれは前からですけど

  科学と日本史のノート丸ごと譲ってくださる方も

  一か月分3,000円ですので

  (一か月に一度提出しないと単位が貰えない仕組み)

  こちらもあわせてバイトみたいなもんだと思って

  よろしくお願いしまーす!

  ちなみにこちらは売ろうと思ってて2冊とってたら

  他の人が先に売ったなんて事にならないよう

  1か月単位の予約制となっておりますので

  事前にお声がけくださいー!」

 

男子「えぇぇぇマジでぇぇぇ!!!?

   3,000円無しぃーーー!!!?」

 

女子「すみません

   貰っちゃいました」

 

 

その意外な相手に

皆が驚いて

珍しく教室の中が一瞬静かになった

 

 

 

そして皆が一斉に席を移動し

 

 

先生「教師の前で金銭のやり取りするとか

   大問題だぞ!?」

 

教頭「しかもノートって何だノートって!

   お前そんな事やってんのか!?」

 

私「ノートは

  『入れ替えが効かないルーズリーフ以外のノート』で

  『自分の名前が書かれている状態で提出』

  という決まりですから

  誰がとったものであろうと

  私の名前が書かれていればオーケーと認識しました

  隠れてこそこそは性に合わないんで声に出して言っただけで

  他にもやっている人が居そうだ

  とは思ってましたよね?」

 

教頭「だからってお前・・・

   馬鹿正直に言うやつがいるか!

   ちょっと後で職員室に来い!」

 

私「わかりまし・・・ハッ!!!

  私個人が怒られるのは良いですけど

  誰から購入したかは絶対言いませんし

  私はこれからも絶対やりますよ!?」

 

教頭「分かった!分かったけど

   そうやってはっきり口に出されたら

   怒らざるを得ないんだよ!」

 

私「それなら仕方ないですね・・・

  放課後は無理なのでお昼休みで良いですか?」

 

教頭「しかし3,000円でやるかねそんな事・・・

   信じられん・・・

 

私「3,000円は偉大だ

  という事ですよね・・・」

 

教頭「そういう問題じゃ・・・!

   ・・・そういう問題か・・・

   確かに学生に3,000円は大金だなぁ・・・

   1か月分のお小遣いに匹敵するんじゃないのか・・・?」

 

 

この教頭先生

関西出身で怒ると非常に言葉遣いが悪く

生徒からの評判は酷いものだったけれど

一生懸命に仕事に取り組む姿勢が

私はとても好ましいと思っていた

(それを妨害しているのは私だ)

 

 

今思えば

 

8組のクラスメイトも異常だったけど

 

 

 

「仕方ないなぁもう」

みたいな感じであらゆる事を許してくれていた

 

先生や教頭先生も異常だった気がするー!!!